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海の中に沈む

海塚の企画・メモ・キャラ用ブログ

よく考えろ今の季節は一体何だそう夏だ夏といえば怪談つまりホラーだろ背筋の冷える怖い話が夏の風物詩だろそうだよなそうだろうそうに決まってる理解したらホラーください

ホラーください。

 

 

 かちり、と手元の明かりを点けて。

 かちり、とピースを繰り返し嵌めて。

 かちり、とパズルができて。

 かちり、と時計が動いて。

 かちり、と意識を時計に止めて。

 かちり、と意識をパズルに戻して。

 かちり、と、視界の端で外の景色が切り替わる。

「は……?」

 なんだ今のは。それこそスイッチでも押したかのように外の景色が、正確には青から黒へと、色が、切り替わった。

 いやいやまさか、気のせいだろう。かちりという音を聞きすぎてそう感じただけだ。完成したばかりのパズルを放置し、窓辺に立って外を見下ろせば、思わず声が漏れた。

「どこだ、ここ」

 見知った町。見慣れた店。しかしどうだ、どこにも人がいない。気配もない。視界に入らないだけだというのは、今にも動き出しそうな路上の車にオートバイ、それに少し視線ずらした先にある線路に止まったままの電車たちが否定していた。

 ――薄気味悪い。

 夢、だろうか。夢だろう。眠った記憶がないとはいえ、だってこんなもの、非現実的すぎる。夢にしてももっと他に何かなかったのか。

 物語ではよく見かけるが、町から人が消え去っただなんて、実際目の当たりにすると気味が悪いどころの話じゃない。